瓦版 2023.2.7 第657号 神野直彦さんのコラム掲載

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立春を過ぎ、梅のほころびが聞こえ始めました。本格的な春になったら訪ねた
い、十津川村の森林アスレチック「空中の村」。2月の「さんか・さろん」は
そこの運営をしているフランス人、ジョラン・フェレリさんの登場です。
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コラム<火曜日の鐘>   斉藤睦(地域総合研究所所長)

嗅覚と認知症

認知症発症は嗅覚の衰えでわかるらしい。匂いがわからなくなったら認知症
を疑えといい、普段から様々な匂いを思い出したり、スローに匂いを嗅ぐ日本
の香道は認知症を遅らせる良い訓練だと聞きました。
その時、不思議に母の匂いが頭に浮かびました。小学校に行く直前、上着の
ボタンが取れ、泣きべそでいると、母がささっと針と糸を取り出し、上着を着
たままの私にボタンを付け、くるくるっと根元に糸を回し、糸先に玉むすびを
作り、私の体に頭を寄せて糸切り歯で糸を切りました。その時の鼻先に、母の
匂い。
なぜ、そんなことを覚えているかというと、のちに同じ年ごろの子どもが私
とまったく同じ経験を詩にまとめて投書していたからです。
そうか、日本中の子どもたちは、みな、こんな風に母の匂いを嗅ぐ経験をし
ているのかと思いました。同時に冬のコート下に合せる父のマフラーを何かの
拍子に手にしたとき、父の匂いがしたことまで鮮明に思い出しました。
この二つの匂いを思い出したことで、私の認知症発症は多分三日ほど遅らせ
ることができたのではないか? 空の向こうの二人にありがとうを言いました。

 

学会コラム<緑と絆の木陰>   神野直彦(東京大学名誉教授)

母の愛

悲しみに溢れているけれども、温もりに溢れた時の流れが、閉ざされた空間
を流れていく。白い壁とカーテンで仕切られた病室のベッドに、酸素マスクを
した母が横たわり、妻と私が見守っている。
私は母の溢れる愛に抱かれて育ってきた。その母の愛を妻が引き継ぐように
して、私に愛を降り注いでくれた。私の人生が幸せだったのは、母と妻という
二人の愛の温もりに包まれているからである。私が生きたことに意味があると
すれば、母と妻に愛され、母と妻を愛したことである。
母と妻と時を共にすることは、私にとって至上の幸せである。そうした至福
の時に、妻は必死に涙を堪えている。母が救急搬送された病院の医師が、年令
を考えると、これが永久の別れになるかも知れないので声をかけていくように
と、妻と私に知らせたからである。
母は憔悴していたけれども、意識ははっきりしている。母は私に「直彦、あ
りがとう」という。私のほうこそ感謝の言葉を捧げたいのだけれども、「がん
ばってね」という言葉しか出ない。母は妻を認めると、「和子さん、ありがと
う」という。気の弱い妻は動揺しながらも、「お母さん、がんばって下さい」
と、力の限りの言葉を口に出す。
コロナ・パンデミックのもとでは、生きて退院しない限り、これが母と交わ
す最後の言葉となる。母は私の手を求めて、手を差し伸べてくる。母の手を握
ると、母の愛が私の心のなかに注ぎ込まれてきたのである。

 

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宮城県気仙沼市「手挽きとろろこんぶ」。塩蔵の三陸わかめを中心に、さまざ
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■街角から畦道から

かけがわ栗焼酎プロジェクト①  はじまりは、“地域資源の商品化”
山﨑善久(静岡県掛川市在住 ローカルライフスタイル研究会)

今年で15年目となる栗焼酎プロジェクトのはじまりは2009年だった。ローカ
ルなライフスタイルの楽しみ方を提案し、デザイン力を高める講座を主催して
いた仲間たちと、地域独自の資源を使い、「スローライフ」を語る商品化を考
えた。掛川市と言えば「お茶」だが、新たな資源に取り組みたい。
そこで茶畑の転作として、以前から作られている栗で検討することにした。
掛川産の栗の認知度を上げるとともに、里山を取り巻く環境や栗畑の実情を学
び、市民にも参加を呼びかけ、美しい里山の保全に協力してもらうことを考え
た。栗畑は猪の被害が酷く、私の家の裏山にも猪が出没していた。当時はまだ
珍しかった栗焼酎をつくって猪鍋でもやっちゃおう!と私が栗焼酎プロジェク
トリーダーとなり、活動を開始した。写真もご覧ください。

静岡県掛川市での「かけがわ栗焼酎プロジェクト」。

■まち・むらニュース

・長野県飯山市 レストランかまくら村

20基の「かまくら」のなかで、地元産の野菜を入れた信州みそ仕立ての名物
「のろし鍋」を食べられる。夜は明かりが灯されて幻想的な雰囲気が素敵だ。
他にも「おやつプラン」「宿泊プラン」もある。
開催期間:2月26日(日)まで
時間:平日  ①12:00~13:30 ②18:00~19:30
土日祝 ①11:00~12:30 ②13:15~14:45
③16:30~17:45 ④18:30~19:45
内容:かまくら1基使用・のろし鍋・おにぎり(飯山産コシヒカリ)
主催・予約・問合せ:信州いいやま観光局 TEL0269-62-3133
https://www.iiyama-ouendan.net/special/kamakura/index.php

・栃木県日光市×東京都足立区 日光めぐり湯

日光の魅力を体験できる“まるで日光”な銭湯が、東京の北千住「タカラ湯」
に期間限定オープン。期間中の銭湯内は、壁一面に日光の新たなスポットがデ
ザインされ、日光名物の天然氷の“かき氷”屋さんもオープンする。新しい日
光を発信する「NEW DAY,NEW LIGHT.日光」の取組みだ。
開催日時:2月11日(土)~19日(日) 15:00~23:00 定休日:金曜日
場所:北千住「タカラ湯」(足立区千住元町27―1)
入浴料:500円(12才以上)、200円(小学生)、100円(6才未満)
主催・問合せ:NEW DAY,NEW LIGHT.日光 TEL0288-22-1111(日光市役所)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000081969.html

 

コラム<象さんの散歩>

節分、 楽しく

ことし「卒寿」の象さん、卒業まで、あれこれ難関、また楽しみを味わうだ
ろうが、まず、春の節分を通過した。無事に。いや大変に楽しく。
節分には、まず、「豆まき」。あと「目刺し」と「海苔巻き」を食べる行事。
わが家では、紀州に伝わる形を守って、細巻き一本を丸かじり。食べ終わるま
でだれとも言葉を交わさない。だから、巻き寿司の中味は、たくあんか、かん
ぴょうか、になる。この日も、妻・宏子とにらめっこ、沈黙のまま・・。
だが、デパートでもコンビニでも、「恵方巻」いわゆる太巻きを売っている。
具も一杯入っている。 一本を食べ尽くすのに、たっぷり時間をかける。
豆まきは、変わりなし。念には念を入れて撒いた。けれども、そのあといた
だくお豆は、大きく省略、九つで、勘弁を願った・・・<川島正英>

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「奈良県十津川村」から・・
2月18日(土)東京巣鴨で、“移住相談&「奈良・奥大和キッチン」”が開催
されます。「ほっこり十津川~パフェ作り~」というワークショップも。
14時から、2500円。詳しくはこちら→ https://smout.jp/plans/10571
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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅>  「ちくきゅう」

竹輪にキュウリを詰めたものを、高知ではズバリ「ちくきゅう」と呼びます。
同じ呼び方はあるかもしれませんが、関東での普通と、作り方が違いました。
なんと、竹輪にキュウリが丸々一本入っている豪快さ。輪切りにすると迫力で
す。地元の人曰く「え?一本入れないの?じゃあ、どうするの?」とのこと。
そこで私、作ってみました。結論!!高知の竹輪は、穴が大きいのです。
https://noguchi-tomoko.com/post-9430/

 

■編集室便り

▽2月21日の「さろん」は「空中の村」

奈良県十津川村に地域おこし協力隊としてやってきたジョラン・フェレリさん。
フランス人の彼が造った本格的森林アスレチック「空中の村」のお話を、詳し
くうかがいましょう。林業の明日が見えてきます。

日時:2月21日(火)19時からzoomで
テーマ:「全く新しい森林アスレチック、“空中の村”の挑戦」
講師:ジョラン・フェレリさん(奈良県十津川村「空中の村」運営管理者)
「空中の村」https://kuuchuu-no-mura.com/
参加費:スローライフ学会会員1000円、一般2000円
※支払い方法はお申込時にお伝えいたします。
申込:2月18日までにこちらまで → メール slowlifej@nifty.com

詳しくはこちら↓

2月21日の「さろん」は“空中の村”のジョランさんです。

▽増田寛也さんの「さろん」をYouTubeでどうぞ。

1月17日開催した、増田寛也さん(スローライフ学会会長・日本郵政社長)の
「さんか・さろん」、テーマ「今年もスローライフを考えながら…」のスピー
チ部分がこちらからご覧いただけます。
↓↓↓

なお、まとめもホームページでご覧ください。
↓↓↓

1月の「さろん」は、新年恒例の増田寛也さんでした。

▽12月の奈良女子大生「さろん」のまとめもどうぞ。

昨年12月20日開催した、奈良女子大学・室崎千重さんと、ゼミ生7名による
「さんか・さろん」、テーマ「学生が語る十津川村谷瀬とむらづくりの魅力」
のまとめはこちら。
↓↓↓

12月の「さろん」は、奈良女子大の皆さんでした。

 

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ずに、下記にお願いします。
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【たまな商店】プロビーチバレー倉坂正人選手のコラムを更新。今回は短いオ
フを有意義に過ごす様子を紹介いただいていますが、五輪を目指す熱い想いも
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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。

奈良県吉野郡十津川村
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https://www.city.unzen.nagasaki.jp/
飯山市
http://www.city.iiyama.nagano.jp/
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