瓦版2021.5.4 第565号

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学会コラム<緑と絆の木陰>欄の神野直彦先生の原稿に、お父上ご逝去の報を
いただきました。心からご冥福をお祈りいたします。いのちとは、生きるとは、
様々に思いめぐらす、ゴールデンウィークでもあります。合掌しつつ・・・。
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コラム<火曜日の鐘>   川島英樹(せたがや文化財団)

心折れ、矢尽きるとき

今日はみどりの日。東京のまちでも目には青葉が輝くが、緊急事態宣言が気
持ちを曇らせる。とりわけ心を重くするのが、「心が折れそう」という言葉を
耳にしたとき。なんと言えばいいのか分からなくなる…。
けれど、心を折れないようにする方法が2つある。ひとつは“三本の矢”。
モリ・カケ・サクラのアベノミクスではなく、毛利元就。一本の矢は折れても、
三本集まれば折れない。仲間と力を合わせば、心はだいぶ丈夫になる。
とはいえ、いまは集うことが難しい。そんな時は、もうひとつの方。“柳に
雪折れなし”。固い木は折れてしまうが、柳の枝はしなって耐える。軟らかい
ものは折れないのだ。心だって同じこと。強ばらせず、軟らかくすればいい。
心を軟らかくしてくれるのが、文化というもの。都内の劇場、美術館、映画
館などは殆ど休館してしまったが、絵や本、映像を眺めたり、歌ったり、ダン
スしたりするのもいい、ステイホームでもできることが、きっとあるはず。
思いつかない時には、わがジュニアオーケストラが昨年の自粛中に作った、
こんな柔軟剤↓、いかがでしょう。

 

学会コラム<緑と絆の木陰>   神野直彦(東京大学名誉教授)

「世捨て人」は大忙し

私は3月末日をもって日本社会事業大学の学長を辞し、憧れの「世捨て人」
の生活に入った。「世捨て人」とは死んだら意識がなくなるので、死んだも同
然に生きることである。つまり、ただひたすら「考える」生活を送ることなの
である。
ところが、「世捨て人」の生活は多忙である。それは死んだも同然だとして
も、生きなければならないからである。東大病院の待ち合わせ室で、高齢の女
性が「生きるということは、大変なことですよ」と話かけてきた。「食べたく
もないのに、食べなくてはいけないというし、運動したくもないのに、運動し
ろといわれるのですから」と、私に諭してくれた。
確かに「生きる」ということは大変なことである。それに加えて、妻が3月
末頃から歩行困難となってしまった。もとより、私には生活能力はないけれど
も、これまで私のために自分の人生をすべて捧げてきた妻に恩返しをしなけれ
ばと決意した。
調理はできないので、総菜を買うのだけれども、配膳や後片付けと、食事だ
けでも多くの時間を費やすことになる。これに掃除、洗濯が加わると、もうい
つ「考える」時間があるのかという状態になる。
しかも、私に迷惑をかけまいと、3月末日を待っていたかのように、4月28
日に父が死んだ。その日に細菌感染症にかかり、たった一日の闘病生活で、黄
泉へと旅立った。103歳なので苦しむことのない大往生だった。とはいえ、父
の死によって多忙な生活が加速され、日常生活が破綻状態になってしまったこ
とは間違いない。

 

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【逸村逸品】ひとこと紹介 ~ http://www.facebook.com/slowlifej
広島市「レモンカルボナーラ」。広島は国産レモン日本一の産地。そのレモンを
丸ごとペーストにして、3種のチーズとまぜ、クリーミーなパスタソースに。
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■街角から畦道から

飯舘かーちゃんの挑戦(4)思いは連鎖して
渡邊とみ子(「までい工房美彩恋人」代表、福島市在住)

震災でボランティア活動をされていた方が、岩手県遠野で「いいたて雪っ娘」
の手入れに携わり、その物語を知り、私を探し訪ねて来られた。ボランティア
さん達は年に何度も私の畑に足を運んで一緒に育ててくれたのだった。「いい
たて雪っ娘ファンクラブ」も作られ、秋には東京の調布市に私達が出向いて収
穫感謝祭も開催した。ファンクラブの方々と「いいたて雪っ娘」の料理尽くし
で交流会を催した。
そうしたことをきっかけに、自分も作ってみたいという方が増えて、全国の生
産者さんを訪ねたり、スタディツアーの受け入れや農作業体験の受け入れもし
たりと、思いは連鎖して広がっていったのである。また、「いいたて雪っ娘」
公式アンバサダーの方も各所で繋いで下さり、プロの料理人の手に取っていた
だけるようにもなった。
出荷する時、私は我が娘の嫁入りのような気持ちで一つ一つ思いを込め、しっ
かり磨きをかけて送りだすようにしている。

飛騨高山・季節のたより  お祭りのごっつお
前原民子(岐阜県高山市在住)

今年の春の高山祭(4月14・15日)は、屋台蔵前で山車を公開するだけの寂しい
お祭りだったが、ずっと母任せだった「お祭りのごっつお」を自分で作ってみ
た。赤かぶ漬け、ころ芋の煮っ転がし、こもどうふと干しわらびと姫タケノコ
の含め煮など、素朴な飛騨の料理を盛りつけた「三つ丼(みつどんぶり)」。各
家庭にこの丼があり、甘いもの、辛いもの、煮物、漬物、川の幸、山の幸など
を三種類選んで盛り付け、ハレの日のごちそうにする。
昭和40年代まで、祭りの「呼び引き」でお客さんを招いていた頃は、三つ丼と
大皿のごちそう以外に、「ちゃつ」という直径15センチほどの丸い木の器にお
赤飯と料理が一人ひとり出された。お客さんは大皿の料理をつまみ、「ちゃつ」
の料理には手をつけず、枯れ朴葉に包んで家族へのお土産にしたという。
最近はお客さんもせず、お祭りのごっつおなど作らなくなったが、大切に保存
されていた山菜を戻し、何種類かでも料理して、春が来た喜びを味わう暮らし
を忘れたくないなあ、とあらためて思った。
※写真が前原さん作の「ごっつお」です。

 

■まち・むらニュース

・長野県飯山市 観光列車「おいこっと」で行く「走る農家レストラン」

“日本の心のふるさと” といわれる飯山線沿線の景色。その景色とともに、
車中では地元食材の季節の料理が楽しめる。食後は下車してのもう一つの楽し
みが月替わりで。今月はさまざまな効能の13の外湯散策と、一昨年オープンの
「道の駅 野沢温泉」でのお買い物。発着は長野駅と飯山駅がある。
運転日:5月29日(木)
料金: 飯山駅発着 大人8,800円、子ども7,400円
(長野駅発着 大人10,000円、子ども8,000円)
申込み・問合せ:TEL03-3843-4000、県内からは0570-00-1176
https://www.city.iiyama.nagano.jp/soshiki/shoukou/kankou/news/noukarestaurant20%EF%BC%921

・東京都港区 東京タワー 333匹の鯉のぼり

東京タワーの麓に、その高さ333mにちなんで333匹のカラフルな鯉のぼりが風
になびく。都内では見かけることが少なくなった鯉のぼりは初夏の風物詩。鯉
の中に一つだけある「さんまのぼり」は岩手県大船渡市への、東日本大震災復
興のエールだ。
期間:5月9日(日)まで  場所:東京タワー 1階正面玄関前
問合せ:東京タワー TEL03-3433-5111
https://www.tokyotower.co.jp/event/attraction-event/2021-koinobori/

 

コラム<象さんの散歩>

コロナ異変

緊急事態宣言下の“GW”である。新聞・テレビでは、例年と同じく、そう
呼ぶが、「ゴールド」とはいえるはずのない大型連休に入った。
家族3人がそろうから、例年であれば、まず伊豆・山の家へ出かける相談が
浮かんでくる。昨年正月からごぶさたであり、ぜひ行きたい。それでも、この
自粛情勢とあっては、断念せざるを得ない、という当然の結論に。
さて、いずこへ。東京・有楽町のビックカメラへ出かけた。長男を指南役に。
コロナ事態で事務所へ行かず、自宅でテレワークの機会が増す、だから必要な
プリンターを購入するために。驚いた。超満員客。「お出かけは控えるように」
の政府の願いは、どこ吹く風の状態なのだ。肝心の求める機械はコロナ事態で
売り切れ。なお1ヶ月待ちとか。やむを得ず、予約する次第だった。
さて昼食は。もしや、と神田の「やぶそば」へ。いつも超満員の行列なのに
並ぶことなく入店できた。望外の満足感で「せいろう」と「天たね」を。
明と暗。「密」への警戒も、あれこれ複雑に働くのだろうか。そう、コロナ
現象、いや、コロナ異変とのおつきあいも、あれこれ・・ <川島正英>

 

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「奈良県十津川村」から・・
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、5月11日まで、「谷瀬の吊り橋」や
村内の公衆浴場、道の駅十津川郷、平谷地区地域交流センター「いこら」など
が閉鎖中です。なお、閉鎖期間は延長される場合があります。ご注意ください。
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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅>  スローライフ旬

仲間と「旬」について考えています。魚類,野菜,果実などの最も美味な時期
と定義しても、農業技術の進歩、気候変動などで本来の旬は消えています。食
材カレンダーというのを見ると、旬が、1カ月から長くて8カ月間というもの
もある。旬という字を掲げた、通販サイトやファミレスまである。こうなると、
スローライフ的な視点で、今これが旬!と紹介したくなるのでした。
https://noguchi-tomoko.com/post-7827/

 

■編集室便り

▽5月の「さろん」は“スローライフな肥料”のお話。

私たちは牛乳や肉を消費していても、その牛のふん尿の行方に思いを馳せたこ
とはありません。北海道では、産業廃棄物の第1位が家畜ふん尿だそうです。

「北海道の自然を守りたい」という想いから設計された特別な乳牛のふん尿液
肥化施設、ここから作られる液肥を、更に3年以上独自の方法で発酵、熟成を
繰り返したものが、村井さんの販売する「MOO&PLANT」。自然の恵みを濃縮、
無臭化しています。

「MOO&PLANT」ムーアンドプラントとは「乳牛と植物」を繋ぐサスティナブル
な循環を願ってつけられた名前、とのこと。2008年という早い時期から食育に
取り組んできた村井さんが、「食」を考える先は「土」と、この肥料を製造・販
売しておいでです。

食育研究家が取り組むオーガニック液肥について、その奮闘記をお話しいただ
きましょう。

●日 時:5月18日(火)19時から20時30分

●テーマ:「“スローライフな肥料”をご存知でしょうか。MOO&PLANT」

●講 師:村井康人さん(REBIRTH食育研究所)

●参加費:スローライフ学会会員1000円(3000円で年間参加可)、
一般2000円、学生無料。どなたでも参加できます。

●申込み:お名前・所属・居住地をお知らせください。参加者名簿を作ります。

5月15日(土)までにメール slowlifej@nifty.com あて

※詳しくはこちらから

5月の「さんか・さろん」は“スローライフな肥料”のお話。

▽新年度会費をお願いします。

スローライフ学会会員(NPOスローライフ・ジャパン賛助会員)になると、
「スローライフ瓦版」に投稿できるほか、「さんか・さろん」などの割引
があります。どなたでも会員になれますので、この機会にぜひお申し込み
ください。初めての方はこちらからどうぞ。

入会について

年会費は、5000円。(2021年4月~22年3月)
会員は「さんか・さろん」参加費一回1000円です。
ただし、3000円お支払いいただければ、何度でも参加できます。

何度もご参加予定の方は、5000円+3000円=8000円を、下記の口座へお振込み
ください。

それ以外は、その都度のお支払いに。途中入会でも、同様の金額となります。
なお、スローライフ学会員外の方の「さろん」参加は一回2000円、学生は無料
です。

※「さんか・さろん」9月までの予定はこちらから
https://www.slowlife-japan.jp/2021/04/05/%ef%bd%93-3/

【振込先】

ゆうちょ銀行 振替口座 00190-4-595293 スローライフ学会

※他金融機関からのお振込みの場合は
店名:〇一九(ゼロイチキュウ)店、預金種目:当座、
口座番号:0595293、スローライフ学会    まで。

 

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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。

奈良県吉野郡十津川村
https://www.vill.totsukawa.lg.jp/
奈良県
http://www.pref.nara.jp/
雲仙市
https://www.city.unzen.nagasaki.jp/
飯山市
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